レバレッジ・バブル 2008 9 28
現在、レバレッジ・バブルの崩壊に直面しているのかもしれない。
最近、よく聞かれることは、こういうことです。
「投資した金融商品が、多少値下がりしても、たいしたことはない。
それなのに、なぜ、世界恐慌が来るなんて、大げさなことを言うのか」
こうした疑問を持つ人は、健全な投資をしていた人でしょう。
たとえば、現金で、1億円の投資用の不動産を買ったケースを考えてみましょう。
仮に、その評価額が10%下落しても、つまり価値が9,000万円になったとしても、
あなたは、危機的状況に追い込まれることはないでしょう。
しかしながら、世の中、あなたのように、
いつも健全な投資をしているとは限らないのです。
特に、最近は、金融技術の進歩と金融自由化によって、
レバレッジ投資手法というものが、主流だったのです。
現金100万円で、レバレッジの倍率を100倍にして、1億円の取引をする。
こうなると、どうなるでしょうか。
1億円の金融商品の評価額が10%下落すると、大変なことになります。
いや、10%どころか、1%下落しても、大変です。
下落のことばかり書きましたが、
アメリカでは、2006年まで、下落なんて、あり得ない雰囲気でした。
常に、上昇。
これが永遠に続くと勘違いしてしまうような雰囲気でした。
だから、みんな強気になってしまったのです。
レバレッジの倍率が100倍というのは、極端な例でしょうが、
みんな、レバレッジの倍率を強気に設定して、投資効率を追求したのです。
現在、金融資産の総額が、世界GDPの4倍を超え、
金融派生商品の総額が、世界GDPの10倍を超えていると言われています。
レバレッジ 2008 5 11
また、日本のバブル時代の話をしましょう。
今度は、ITバブル時代の話です。
この時代を象徴するのは、ソフトバンク株でしょう。
急騰するソフトバンク株。
この銘柄を好んで買う投資家には、一定の作法がありました。
現物株で買ったソフトバンク株を担保に、
信用取引で、さらにソフトバンク株を買うのです。
これを、当時は、「二階建て」と言っていました。
今風に言えば、「レバレッジ」でしょうか。
こうした手法(金融技術)は、わずかな値動きでも利益は大きくなりますので、
投資効率がよい方法と言えたでしょう。
しかも、ITバブルによって、ソフトバンク株は、
来る日も来る日もストップ高を続けていましたので、
極めて投資効率がよかったと言えたでしょう。
しかし、ある時から、
来る日も来る日もストップ安となったのです。
買い手不在で、値がつかなくなったのです。
そう、ITバブルが崩壊したのです。
投資家たちは、あっという間に、資金を失い、市場から消えていったのです。
それでも、この時代のレバレッジは、かわいいものでした。
この時代のレバレッジは、上限が、たったの3倍でした。
聞くところによると、
アメリカでは、投資ファンドが、
証券化商品において、投資効率を追求するために、
レバレッジを、倍率にして、5倍や10倍、
場合によっては、それ以上に設定して奮闘したと聞きます。
さぞ投資効率がよかったでしょう。